おやすみ
哲学に関する本がヤメられないのはどうしてなんだろう? 図書館行っても本屋に行ってもまずそれに関するものばかり探す。 たぶん、小さい頃に感じた疑問を心の底に抱えながら生きて来たのが、 今、解決しようと思ってここ数年そんな本ばかり読んでるのかもしれない。 人とは?自分とは?空とは?水とは?土とは?宇宙とは?時間とは?人生とは? あげてしまえば切りがない。 なぜ、1+1は2なのか?なぜそう決めるべきだったのか? 本を読むと答えのない問題を真剣に取り組んでいる哲学者達に胸が熱くなる。 大人なったらしっかりと社会に溶け込み哲学的な疑問は消えるだろうと思っていたが、 そんなことはない、心の中でどんどん大きくなって行く。 哲学病を書いた本も読んだし、自分もそれに近いと気付いたし、 哲学とは無関係なある医者が哲学的疑問をぶつけている本も面白かった。 哲学は生きることにとって無意味だろうと10代20代と過ごして来たけど、 30代になってからは、絶対に必要だと言うこともわかってきた。 生きるための前提をどう創るかで、やっぱり思想から行動から変わって行く。 時代とともに生きて行くと言うことではなく、 時代がどうあろうと、僕の前提が揺らがないので時代にそわない時期もきっとある。 そんな風に考えられるようになる。 だから疎外されることも怖いけど覚悟の上である。 僕は合理的に人生をおくりたいと思っている。 じゃあ、なぜ哲学を考える?って思われるだろう。 哲学は遠回りな考えであると言う人もいるだろうけど、 その近道すら無意味な価値感に僕はなってしまった。 近い道を行けば早くゴールできる。 遠回りをすればゆっくりとゴールする。 どちらが合理的なのか?ってことすら無意味に感じるようになる。 若い頃は近道を好むくせに老後は遠回りを好むわけですから矛盾の極みです。 たぶん、逆の方がスマートな人生ではある。 結婚式のスピーチにも多いように「人生」をいろんなものに例えます。 マラソン、山、海、太陽、料理、たまに例えられてないものもあります。 結局、誰も人生を言い当てられない。 それぞれの経験で例えていたり、誰かから借りた言葉だったりと、バラバラです。 だから、「人生とは?」って問いの答えを探すことすらナンセンスかもしれない。 逆に人生から自分自身が問われていることに気付けたとき、 自分の腹の底のマグマみたいなものに僕は気付いた。 存在するもの全てが「絶対」であると尊重するようになった。 目の前にあるものこそ、今一番尊重すべきものであって、 何か複写された映像や情報は、二の次で充分。 これは、時間に関してもそうで、 目の前の時間を一番大切にする必要があって、 昨日を引きずって今を生きてはならんし、 明日のことが気になって今を生きてもいかん。 岡本太郎もよくこんなことを言ってたし、ルソーだったか??? 「この世に今を生きている人はひとりもおらん」と言ってたらしい。(少し、うろ覚えです。) 時間が繋がったものだと考えたのは人間だけだし、 人間は本当に時間と言うものに依存して生きてしまって、 未来が来る楽しみや未来が来る苦しみに緊張しながら生きられると言うのに、 いつの間にか、同じ毎日が来ているような人がほとんどじゃないだろうか? 人生を逆算してしまって緊張感がなくなってしまったのかもしれない。 それなら、時間の概念がない方が今を生きれたかもしれない。←無茶言ってます。 昔、100年カレンダーが発売されたとき、 それを買った数人が自殺した話を聞いたことがある。 もしかしたら、寿命を紙一枚に数字で表現されたとき、 毎日、日付に×をつけてゆくカレンダーを見て、 人生の無意味さを実感してしまったんじゃないだろうか? 人生は逆算できるほど予定調和ではないし、 そうしてしまっているのは自分であると気付かないといけない。 夢を見るが、夢を見ることに慣れてしまうといけないし、 反戦運動をするが、その運動に慣れてしまってはいけないし、 恋をするが、恋をすることに慣れてしまって、 本当に恋をしているのかわからなくなってはいけないし、 とにかく、未来があることに慣れてしまわない感覚をどこかに持っておきたい。 希望と言うのは、何も未来にだけあるわけじゃない。 本当に心の中にある。ただ、自分で掘り起こすかどうかだろう。 おやすみ。
by hisa_coff
| 2009-11-05 02:35
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