さよならーの か〜わ〜り〜に〜 の「に〜」の合図で大津波

今夜の「SONGS」は先週に引き続き山口百恵でした。

アイドルと言いながらもすでに自我に目覚めチヤホヤされること以上に
自分の意志を舞台上に創造することに執着し、歌い去って行く姿は、
最近のアイドルやアーティストに見られない、これぞ威風堂々である。
と、書きたくなるくらい僕は感動してしまったんだろうな。

この頃の音楽が命がけだと言うのは本当だ。
その潔さに皆心打たれ、そんな潔さが良き音楽を作り、
その美しい潔さに魅かれて歓喜してしまう。
街頭テレビからこんな歌が流れていれば、
それを街角で耳にした売れないバンドマンまで感化され、
売れないながらもまた感動的な音楽を作ってしまうわけだ。
その灯火を絶やさずに未来に持って行かなあかんのでしょうな。


あの引退のコンサートですよ。
日本武道館のファイナルコンサートの最後の曲、
http://www.youtube.com/watch?v=jbo2aQd-dAM
「さよならの向う側」が始まったらお客様の手拍子は4つ打ちです。
まだこの頃は、2と4に拍子を取ってリズムを感じる習慣がなかったのでしょう。
1、2、3、4、と日本の伝統の揉み手に近い拍子の取り方で歌は進んで行く。
その拍子に負けず、日本人離れしたポップソングを百恵ちゃんは絶唱する。

1番が終わった後は、大きな波が引くように
ドラムのリズムも聞こえないくらいに静かな砂浜になります。
泣きのギターとピアノが雰囲気を作りながら、
シンバルがまた波を作ってくれます。
その裏で泣き過ぎたギターがハウリング。
バックバンドもファイナルコンサートであることを感じ取ってる。
そして、2番Aメロを百恵ちゃんへ受け渡すバックバンドの優しさ。

百恵さんの眉は八の字になってしまい青いアイシャドーの効果もなくなっている。
「涙をかくしお別れです」と歌いながら涙を流す。

「♪あなたの呼びかけ あなたの喝采」
B♭のコードから入って徐々に温めてゆく、
A7のコードに下りた時、悩ましい呼びかけ。
「♪あなたの優しさ あなたのすべてを
きっと 私 わすれません 後姿 見ないでゆきます」
ドラムはスネアとともにシンバルも叩き、
それに反応しホーンセクションも同じ位置にアクセントする。武道館のピークです。
最後の英語詞のサビは、ボロボロで「ありがとう ありがとう」とこぼす。

そして、バンドすべてがブレイクし、
喝采の中、百恵ちゃんは「さよならーの か〜わ〜り〜、に〜」
の「に〜」の合図で大津波が押し寄せる。(↑のYouTube 6:04)
すべてが飲み込まれて、一小節後にドラムは三連符のフィルを入れますが、
それが「俺もファイナります!」的な渾身のドラミングで僕の胸が熱くなった。
その裏で、すでにファイナリストな泣きのギタリスト。
ベースは力んでブーストしながらもしっかりと支える。
百恵ちゃんは両手を広げた後、深いお辞儀をし、
顔を上げた途端、また叙情的に代弁するように
バンドのサウンドが駆け上がってゆき、そして挨拶とともに終わって行った。
もう、すべてが泣き過ぎて何がなんだかわからない状態で
武道館が涙に溺れたんでしょうな。感動した。


これは間違いなくバックバンドの人たちもファイナりましたよ。
生バンドだからこそ、伝説になったと言ってもいい。
また、テレビ番組でもすべて生バンドの時代は来んだろうか?
人間の感情が暴れ回る音楽の瞬間をテレビでもみたいです。


上の方に貼ってあるYouTube動画とともに読んでいただければ嬉しい。
おやすみ。
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by hisa_coff | 2010-10-07 02:57 | デイリー