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うつむいた感じが好きです
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何度も行ってますが、このタイミングで行く人がおられたのでのこのこ付いて行く。
川崎の岡本太郎美術館に行って来た。
好きなものは解説してもしょうがない。
「どこがいい」なんて言えるものは、少し夢中じゃないような気がするな。
「いつか飽きるかも」なんて心がどこかに隠れてるかもしれない。
あの大胆な心で創るものすべてに憧れる。


1つ、美術館に行って見て欲しいものは、
出口付近、売店入口あたりに岡本太郎著書のものや
芸術関係の本が自由に読めるスペースがあるのですが、
端っこのテーブルに子供たちの感想が書かれた小さなファイルが、
30冊くらいあるのですが、是非それを読んでいただきたい。

小学生の社会見学か、遠足か、わからないですが、
小3〜中1くらいの子供たち個人の名前は伏せてますが、
学校(団体)別でファイルされてます。
その子供らの感想というか、文章が9割以上、上から目線でスゴく楽しめます。

正直、この子供たちが、岡本太郎の画の前で興奮でもしていたら、
手を引いて保健室に連れて行きたくなるし、
僕自身も子供の頃に社会見学で連れてこられても
いつもの教室ですらワクワクなのに皆と一緒に学校以外の場所に一緒に行って、
知らないものを見たり触ったりするなんて、ワクワク過ぎて岡本太郎どころではない!はず。
だから、義務的に感想を述べてる子も多いし、
岡本太郎の感想は書くけども岡本太郎なんて眼中にない感想がスゴく多くて笑える。


たいがいは、よく似た感想で、
「とてもよかった」だの、「たくさんかくのはすごい」だの、
心が入りそうで入ってない当り障りのない感想が多い。
半分読ませてもらった中でも気に入った感想があったのでご紹介します。


小学4年生 匿名:「うつむいた感じが好きです」


ハガキサイズの感想スペースにこれだけ書いてありました。
「痛ましき腕」たぶんこの画のことだと思います。
うつむいた感じが好きです_f0037239_2394968.jpg



もう1つ。

小学3年生 匿名:「岡本さんが血の赤が好きだとは思いませんでした。
でも少々赤が好きなのかなとは思っていました。
だって、絵の作品では、みんな赤を使っていましたから。」


僕のツボは伝わりにくいでしょうが、解説させてください。
たぶん女の子だと思います。訳します。

私が知っている限りの平和主義の岡本太郎さんは
血のような赤は好きじゃないと思っていました。
でも、私の心の中でもしかしたら少しは赤を気に入っているのでは?とも思いました。
だって、あなたの描く画、その全てに赤が使われているんですもの!

と、言うように彼女は「赤」が好きかどうかにこだわった。
少々は好きだと思ってたけどそこまで好きだとは思っていなかった、と彼女は驚いたのです。
グッと来る言い回しは、「岡本さん」「少々」フィニッシュの「使っていましたから」
「赤」の部分を「アジェンダ」に変えて読んでも「みんなの党」っぽくなる。
あるキーワードにこだわり過ぎる文章だと周りが見えてないような印象になってしまいます。
バランスよく行かなあきまへん、みんなの党さん。

子供の文章をネタにしたらいかんな。
でも、他の子が似たり寄ったりの感想を述べる中、
どうにか切り口を見つけようと頑張った感じに心奪われた。
意外と僕らは、形容詞と感情が繋がっていないことを知る。
言葉が上手であれば、表情や感情に出ないし、
形容が下手であれば、表情やジェスチャーで伝えるし、
いったい、どうしたらいいがじゃ?



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きょうは おかもとさんの 絵を いっぱい見て よかった。

おやすみ。
by hisa_coff | 2010-07-28 00:31 | デイリー